2018/9/3

[No.033]咳

咳は、医学的に咳嗽(がいそう)と言われており、普遍的な症状で、世界中で受診理由のもっとも頻度の高いものの一つにあげられています。咳は気道内への異物の吸入や痰(たん)の貯留を排除するための呼吸器系の重要な生体防御機構の一つです。痰(たん)は、医学的に喀痰(かくたん)と言い、気道内にたまった過剰な分泌物を指し、気道を刺激してせきを引き起こします。

呼吸をすると、鼻や口から、ほこりや煙、花粉、細菌、ウイルスなどの異物が体内に入ってきます。異物が入り込むことで咽頭や気管支など、気道の粘膜表面のセンサーが働き、そこで感じた刺激が脳の咳中枢に伝わります。咳中枢から横隔膜など呼吸を行う筋肉に指令が送られ、咳が起こります。

咳が続くと体力を消耗します。咳を1回するだけで約2 kcalを消費すると言われています。また、咳によって吐き出される空気のスピードはおよそ時速300km、風速80mにもなり、体に負担がかかります。かぜやアレルギーによる咳は数日で治まりますが、咳が続いてのどを傷めたり夜眠れないときには、OTC医薬品(表参照)を利用すると良いでしょう。また、咳が長く続く場合は、かぜ以外の感染症や、呼吸器の慢性的な病気の可能性があるので、周囲の人への感染を防ぐためにも、医療機関を受診しましょう。

OTC医薬品の主な鎮咳去たん薬の成分と作用

成分 作用
ジヒドロコデインリン酸塩、ノスカピン 咳中枢に働き、咳を抑える
dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ジプロフィリン 気管支を拡張し、咳を鎮める。
L-カルボシステイン、ブロムヘキシン塩酸塩 痰を出しやすくする。
クロルフェニラミンマレイン酸塩 アレルギー反応による咳を鎮める